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『ツインズ』をたまたま観てしまいまして。昔、みたことがあるのに、細かいシーンも起こる出来事も、まったく覚えていないものですね。初めて観るかのように、楽しめました。
女性のファッションも、時代は変われど、現代にも取り入れられそうなものがあり、参考になりました。
最後に出てくるママ役のボニー・バートレット(Bonnie Bartlett)も、ナチュラルな上品さを醸し出しています。こんなふうに歳を重ねることができたらなぁと思うほど。彼女の出演するほかの映画も観てみたいと思い調べたところ、『大草原の小さな家』や、『ER緊急救命室』など、ドラマのほうが多かったようです。
なんといっても、シュワルツェネッガーとその相棒、ダニー・デヴィートのコンビが良い。ハラハラする場面はいくつもありましたが、ハートウォーミングなコメディで、私はこういう雰囲気の映画がとても好きなのです。
ハッピーエンドですし。昔の映画って、良いなぁ〜と感慨深く。
ちなみに、シュワルツェネッガーとダニー・デヴィートの映画で、『ジュニア』という映画も好きでした。映画自体の評判はあまり良くなかったようですが、私は面白かったです。
こういう映画がもっと観たいなと、Amazon primeの中を探し、とりあえず、『セックス・アンド・ザ・シティ(Sex and the City) 』を観ました。
これはこれで、良かったのですが、そのあとにオススメで表示された映画があり、とりあえず観てみるか〜という、軽い気持ちで再生した映画がなかなか良かったので、今回レビューしたいと思います。
映画のタイトルは、『ミセス・ハリス、パリへ行く』です。
物語の舞台はイギリス・ロンドンですが、主人公、ハリスおばさんがクリスチャン・ディオールのドレスに魅せられ、はるばるフランス・パリに出かけて行く話です。
おちゃめなお人好しで、働き者の主人公ハリスおばさんを、イギリスの俳優、レスリー・マンヴィル(Lesley Manville)が演じています。実生活では同じく俳優で、現在まで5回の婚姻歴を持つゲイリー・オールドマンの最初の妻となった方です。
映画自体は、正直なところ、最初つまらないなぁと思いながら観ていました。でも次第に、ハリスおばさんの魅力に惹かれつつ、ほろりと涙しつつ、なかなか楽しめたのであります。
映画の登場人物も、その多くがハリスおばさんに好意的で、最初は必死でおばさんをディオールから追い出そうとするマダム・コルペールまでも、次第におばさんの夢に協力的になっていくのです。
大袈裟なドタバタ劇もなく、軽いコメディタッチの雰囲気が漂う映画で、落ち着いて最後まで観ることができました。ちょっとパリへ旅に出るような気分も味わえて、穏やかで前向きな気持ちになる映画でした。
ストーリーは、家政婦(後述する原作の翻訳では、通いのお手伝いさんとなっていました)としてロンドンで働くハリスおばさんが、勤め先の家で偶然魅了された美しいドレスには、Diorのタグが付いていました。
ハリスおばさんは、パリへドレスを買いに行く決心をし、お金を貯めて、パリ行きの準備を着々と進めます。いろいろなアクシデントもありながら、日帰りのつもりでパリに行くのですが、帰れなくなり・・・。
おばさんは持ち前の運の良さと、周りの人に好かれるチャーミングさを存分に発揮し、ディオールのメゾンに入り込んで、なかなか出会えない人たちとも堂々と渡り合います。
パリのアパルトマンでも得意のお掃除を披露し、ときには持ち前のお節介が顔を出して、恋のお手伝いをしてみたり、ディオールで裁縫の腕を褒められてみたり。念願のドレスを手に入れるまでいろいろとありますが、ようやくドレスを手に入れてからも、一筋縄ではいかないのがハリスおばさんの世界なのです。
まったくの予備知識なしで観たので、これはいつの時代設定なのかと、最初よくわかりませんでした。2022年に公開された映画ですが、クリスチャン・ディオールが生きていた1950年代が物語の舞台です。
この映画の制作には、現代のディオール社の協力もあったそうです。美しいファッションやドレスに興味のある方にはもちろんのこと、心を落ち着けて、明るく前向きな気持ちになりたい方にもオススメの映画です。
私は個人的には、ハリスおばさん役のレスリー・マンヴィルがいかにも家政婦さんっぽい雰囲気を保ち続け、オートクチュールのドレスを身につけているときも、けばけばしい化粧や装飾でわざとらしく化けることも一切なく、生粋のロンドン女性の気質を持つハリスおばさんの雰囲気を最初から最後まで醸し出し続けているところに関心しておりました。
ところで、この映画って、本当の話?と思い、興味本位で実話かどうか調べたところ、実話ではなくて、ポール・ギャリコの小説が原作でした。
意外と(?)知られていない原作だと思いますが、児童文学に分類される小説で、近所の小さな図書館にもあり、子どもの本のコーナーに置いてありました。
原作の翻訳本『ハリス夫人(ハリスおばさん)パリへ行く』は貸出中で入手できなかったので、『ハリスおばさんニューヨークへ行く』を読みました。
この小説が、読み始めたらやめられなくなり、一気に最後まで読んでしまうほど、おもしろかった!!
物語上ではありますが、ハリウッドの有名人やアメリカの大統領まで登場する、『ハリスおばさんニューヨークへ行く』のほうを映画化したら、もっとヒットするんじゃないかしら?と思ったほどです。
もちろん、『〜パリへ行く』の原作も読んでみたい、もしかしたら、原作のほうがもっと面白かったりして?と思いました。
ポール・ギャリコ(Paul Gallico)は、アメリカの作家です。『ミセス・ハリス、パリへ行く』の原作、Flowers for Mrs. Harris (Mrs. ‘Arris Goes to Paris)を1958年に出版しているので、当初は物語の時代設定である1950年代と同時代の小説だったわけですね。
クリスチャン・ディオールは1957年に亡くなっているので、この小説が1958年出版ということは、出版当時はまだ、世間的にも創業者ディオールの温もりが強く感じられていたころと思われます。
その後、ギャリコは1960年に『ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く』Mrs. Harris Goes to New York (Mrs. ‘Arris Goes to New York)、1965年に『ミセス・ハリス、国会へ行く』Mrs. Harris, M.P. (‘Arris Goes to Parliament)、1974年に『ミセス・ハリス、モスクワへ行く』Mrs. Harris Goes to Moscow (Mrs. ‘Arris Goes to Moscow)を出版します。
調べたところによると、ハリスおばさんシリーズとしては、上記4作品ありました。
いまでは、このハリスおばさんシリーズの翻訳本だけでなく、原作も読んでみたい、そして、愛読書に加えたいと思っています。
電子書籍もあるようです。
おまけ。
ディオール専属の美しく愛らしいモデル、ナターシャ役はポルトガル出身の俳優、Alba Baptista。
そのナターシャとサルトルの著作や実存主義について話し、次第に気の合う二人といった雰囲気を漂わせていくことになるのが、ディオールの会計士です。その会計士、アンドレ役にリュカ・ブラボーが出演しています。
メガネ・イケメンです。
彼を観た瞬間、「はて、どこかで見覚えがあるような・・・?」と思いました。
ちょっと違うんだけど、雰囲気が似ているということで、真っ先に思い浮かんだのが、イヴ・サンローランの映画でした。
そして、なんと、たまたま見つけたYouTubeの動画の中で、リュカ・ブラボーは、イブ・サンローランをちょっと意識して演技に取り入れていたと語っていました。
(なぜディオールの会計士が、かの繊細すぎる天才デザイナー、イヴ・サンローランに似せて演じられているのか、最初ちょっと謎でした^^;;汗)、リュカ・ブラボーのインタビューを観て、なるほど!と腑に落ちました。
そしてそして。
まだ観てないのですが、リュカ・ブラボーは、Netflixで配信中のドラマ『エミリー、パリへ行く』にもヒロインの相手役で出演しているそうなので、近いうちに観てみたいな〜と思います。
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