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深夜特急を読んでいます

読む(本のことなど)
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(上記リンクは深夜特急の電子版)

※本ページには楽天のプロモーションが含まれています。

さまざまなことがありまして。

ふと手にとった深夜特急。

沢木耕太郎さん、という著者の名前は知っていたものの、まだちゃんと読んだことがなかった。

読み始めたら、面白くて、やめられなくなった。

たくさんの面白い場面、宿、興味深い場所。たくさんあったけど、とにかく先へ先へと読み進めていった。先の展開がどうなるか気になり、メモする手間を惜しんだほど。

深夜特急2の終わりまで読み、話は3巻「インド」に突入している。

2巻の終盤で、これはという箇所があり、しおりを探す時間も惜しいほどに引き込まれてしまい、手近にあった使いかけのティッシュをちぎって挟み込んだ。

相変わらずのメモ魔で恐縮だが、ここにメモしておく。(新潮文庫です)


p.171
アメリカのハードボイルド小説に出てくる私立探偵のセリフだそう。

「私は、人々の生活の中に入り込み、また出て行くのが好きなのです。一定の場所で一定の人間たちと生活するのに、退屈を覚えるのです」

そして、沢木さんは次のように綴っている。

私たちもまたどんな世界にでも入っていくことができ、自由に出てくることができる。出てこられることが保証されれば、どんなに痛苦に満ちた世界でもあらゆることが面白く感じられるものなのだ。私自身は何者でもないが、何者にでもなれる。それは素晴らしく楽しいことだった。

このあたり、沢木さんが大学卒業後に一日で会社を辞め、ルポライターになった話が綴られている。

私自身も、多くの仕事をし、多くの職場を見てきた。新しい職場の面接で、このような経歴なのはなぜかと問われることはよくあった。毎回、その場しのぎの回答をしてきたが、私はどれが本当なのか、自分でもよくわからずにいた。沢木さんのこの文章に出会ったとき、「これだ!」と思った。私もおそらく、どんな世界でも自由に入り、自由に出る。そんな生き方を面白く感じていたのだと思う。

p.200

「こだわることと壊すこと」。これは、高倉健さんとの対談「死に場所を見つける」(p.191から)の中に載っている。この対談の中で、沢木さんは次のように語っている。

僕は自分の仕事が天職だなんて、どうしても思えないんですね。(中略)
いま自分がやっている仕事とまったくちがうことができたんじゃないか、あるいはするべきだったのではないかということをいつも感じていて、でもとりあえずこの仕事だけはきちんとやっておこうと思っているうちに、十年以上も書くという仕事をしてきてしまったんです。

まさに、これ。私もです!と思いながら、読んでいた。職種は違うけれど、私も同じ感覚を抱えながら、仕事をしてきた。そしていつのまにか、何年もしている仕事がある。

p.204

ここも同じく高倉健との対談。沢木さんは一定のスタイルで書く仕事をしていくことが辛くなり、「自分の気持ちに一番かかわりのあることだけをやっていこうと」して、「どんどん書くものが減ってきちゃった」と話している。

それを聞いた高倉健が、「かっこいい」と言う。まさに。

p.211

比叡山に入った高倉健の話、灯に誘われても下界へ降りないことの辛さを語る住職の言葉、物にこだわるということ。

タイロン・パワー主演の『長い灰色の線』ジョン・フォードの作品。高倉健が感動して何度も観たそう。この箇所を読んで、私も観てみたいと思った。

『哀愁』『ウォーター・ブリッジ』という映画も登場。

p.219

次に演じてみたい役について語る高倉健。

沢木「どこからか来て、どこへかへ流れていくという姿には、本当に人の心を震わせるものがありますからね。」

p.223 対談終盤。

高倉「自分の住んでいるところから遠くに何かあるという気がするんですね。」

この対談は、もう一度読みたいと思う。


若いうちに、こんな旅がしてみたかったなぁ。

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