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いつだって何かに乗り遅れる。そして、生きる。

読む(本のことなど)
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そうさ。表題のとおり。いつだって私は何かに乗り遅れる。

たとえば旅。たとえば何かのイベント。仕事、家さがし、畑仕事、読書。

なんだってそうだ。

行きたいイベントがあった。ある珈琲屋の会だ。そのひとは、全国に珈琲好きの間で、おそらく伝説的な人と言っても過言ではないだろう。

いつだって私は、ギリギリまで予定を調整する。

とくに予約が必要な場合にだ。その日は本当に行けるか。体調は問題ないか。疲れて動けないスケジュールになっていないか。または、その場所まで距離がある場合、天候はそこそこ行ける程度の天気予報が出ているかどうか、などなど。

よし、確かに行ける。

と思うまで、予約をしない。

したがって、前日や当日に予約できるか確認することが多い。

予約の締め切りが数日前とかに決まっている場合も、もちろんその日時は頭に置いて、ギリギリまで調整している。

すると、やはり人気のイベントなんかは、予定より早めに満席で締め切ることがよくある。


旅なんかもそうだ。確実に行けると思って、意を決して予約サイトをみたら、泊まることができそうな宿は、すべて埋まっている、ということがよくある。

ニュースに奥田民生の本の記事が出ていた。

奥田民生に「人が生きる理由」を聞いたらすごい答えが返ってきた
2025年に60歳を迎える奥田民生。他人に流されず、周囲に流されず、肩肘張らない自然体なその生き方が「こんな生き方をしてみたい」と多くの人をとらえている。本連載ではそんな奥田民生が書いた10年ぶりの著書の中から、奥田民生がどんなことを考えて...

ストレートに、するりと心に入り込む言葉。これまで奥田さんが出してきた曲の歌詞やメロディーがそうであったように。


『59-60 奥田民生の仕事/友達/遊びと金/健康/メンタル』という本がダイヤモンド社から最近出たのだ。なんと、2025年には60歳を迎えるとか。か、還暦。

この本は読みたい。ここに積ん読。いや、すぐに読もうと思っている。

私はふだんの顔がぼんやりしているだけに(?)、知人から「けっこう忙しいんだね」と意外そうに言われることがたびたびある。

私の休日の予定は、なんだかんだいって、誰かと予定を合わせることが難しい。

いつもなにかのイベントや、行こうと思っていた場所に乗り遅れると書いたが、その日はそこへ行こうと思っていると、誰かが「その日空いてる?」と聞いてきても、「その日はちょっと・・・」ということになる。

どこかへ行こうかと思っている日は、予約はしていなくても、誰とも約束を入れず、予定を空けておくのだ。

なぜ私はどこかへ行き、何かをしようと思っているのか。最近ときどき考える。そこへ行って、何かしらのイベントに出たとしても、何かしらの旅をして、誰かしらと偶然会って、他愛もないことをつらつらと考え、あるいは移動の電車で浮かんできた言葉なんかを手帳に書き留め、ときおり、うっかり詩のようなものを書いてしまう。


なんてことがあるが、それだけだ。

結局、それで何かが形になったわけでもなく、誰かに見せたわけでもない。旅に出ても、イベントに出ても、ほとんど周囲に話さない。話すような人もいない。

どこかですこぶるうまいメシを食って、涙が出るような美しい景色を見ることだってある。体の奥底から自然と湧き起こるような感動は、それだけ強烈だ。だから、それをあとで誰かに話そうとしても、そこで経験したエッセンスのかけらすら共有できないことを知っている。そのときの体験を表現する技術を私は持っていない。だから、ほとんど誰にも話さない。

ではなぜ、と思う。そこで何かを体験したい、見たい、聞きたい、そんな強い気持ちがあったとき、私はそこへ向かうのだと思うが、それによってなにかが起こることは、ほとんどといっていいほどない。

それで、奥田民生さんの記事を読んで思ったことは、私は生きるために、先の予定をガシガシ入れてきたのかもしれない、ということだ。

夜眠りにつく前、あるいは朝起きて、そうだ、あそこへ行こうと思う。

それはその日の生きる意味のために、そんなふうに思い、その予定をこなすことで、生きてきたのかな、と思う。

つらつらと。意味のない言葉を私は今日も綴るだろう。そして、今日も生きる。

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