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【備忘録】David Garrett のアルバム。Encore(アンコール)

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完全にメモとして書いておきます。

David Garrett のアルバム、Encore(アンコール)は、2008年にリリースされたアルバムです。

このアルバムは、バッハの”Air”(G線上のアリア)や、マイケル・ジャクソンの”Smooth Criminal”など、私の個人的に好きな曲がいくつか入っているので、聴き慣れた曲を流して、穏やかな気持ちになりたいときに聴きます。

今回、普段はほとんど読まないライナーノーツを珍しく読んでいて、あらたな発見もあったので、記録しておきたいと思います。

収録曲

『アンコール』 デイヴィッド・ギャレット
David Garrett

上記HMVのサイトに書いてある曲のリストです。

  • 01. Smooth Criminal
  • 02. Who Wants To Live Forever?
  • 03. Clair de Lune
  • 04. He’s A Pirate (” Pirates Of The Caribbean”)
  • 05. Summertime
  • 06. Hungarian Dance No.5
  • 07. Chelsea Girl
  • 08. Summer
  • 09. Air
  • 10. Thunderstruck
  • 11. New Day
  • 12. Ain’t No Sunshine
  • 13. Rock Prelude
  • 14. Winter Lullaby
  • 15. Zorba’s Dance

解説(ライナーノーツ)より

01. Smooth Criminal

まずはこの曲から。

これはDavidのアパートで友人に言われて、この曲はヴァイオリンで弾けるんだろうか?と思いながら弾いてみた曲らしい。

幸い、主なベースラインが第五音の上昇と下降で書かれているのがすぐにわかったので、ヴァイオリンで完全に弾くことができた

David Garrett / Encore ライナーノーツより

わたしが知りたかったのは、どうやってDavidがモーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲イ短調」をこの曲に取り入れるアイディアを得たか、だ。

どうやら、このスムース・クリミナルに取り組んでいるのと同時期に、モーツァルトの「ヴァイオリン協奏曲イ短調」にも取り組んでいたらしい。

<スムース・クリミナル>の底に流れる和声のパターンがこのヴァイオリン協奏曲の第3楽章の、有名な<トルコ風の楽想>と似ていることに気付かずにいられなかった。

David Garrett / Encore ライナーノーツより

お次はこちら。

02. Who Wants To Live Forever?

言わずと知れた、Queenの名曲ですね。
Davidがクラシック以外で初めて買ったアルバムは、クイーンの『オペラ座の夜』だそうです。フレディ・マーキュリーの声に感銘を受けた、とも書かれています。

ちなみにわたしも、フレディ・マーキュリーが大好きです。彼らの音楽は、完全にクラシックの影響を受けていますし。ほかの曲も、Davidのアレンジで聴いてみたい。

David Garrett はパガニーニの再来、ブライアン・メイはバッハの再来と思いながら、画面越しにご尊顔を拝んでいる私です。だってね、そう思ったら、なんだか楽しいじゃないですか。あの時代の偉大な作曲家が、現代に蘇って、自分が生きてなかった時代の素晴らしい曲をアレンジしたり、新しい曲を生み出したりね。(完全に思い込みであることは、さすがにわかっています、ハイ。)

03. Clair de Lune

ドビュッシーの「月の光」です。

04. He’s A Pirate (” Pirates Of The Caribbean”)

パイレーツ・オブ・カリビアンのテーマです。Davidは「映画音楽は以前から大好き」と書いています。

05. Summertime

ガーシュウィンの曲です。

Davidはジュリアード音楽院に通っていたころ、4人のルームメイトがいて、そのうちの2人はジャズ・ミュージシャンだったそう。この曲をアレンジするため、「昔のジャズ友達に電話するチャンスができた」と書いています。

06. Hungarian Dance No.5

ブラームスのハンガリー舞曲です。太くて力強いヴァイオリンの音で始まる、ディヴィッドのアレンジ。「ただただ美しい、ブラームスの交響楽的なアイディアを取り除かずに原曲の本質に戻す」挑戦をしたと書かれています。

07. Chelsea Girl

特筆すべきは、この一曲でしょう。

David Garrett の作曲で、穏やかなメロディです。ちなみに、Chelseaはロンドンにある地区で、高級住宅街として知られているそうです。

あまりの美貌ゆえに、数々の女性との噂がありましたが、ちまたにあふれるゴシップではなく、本人の言葉に耳を傾けてみようと思います。

ライナーノーツを見てみましょう。

この曲はもともとニューヨークの親しい友人のために書いた。今でも毎日のように彼女のことを考えるけれども、ある時点で自分をごまかすのをやめ、お互いの人生観は完全に違うのだと現実的にならざるを得なかった。別れたくなかったが、そうするしかなかった。彼女に夢中になりはじめていたからだ。体内から完全に除去しないとじわじわと死を招く、吸いたくてたまらなくなるドラッグのように。一方的な関係で、全く悲惨だった。結局、このジェットコースターのようなめまぐるしい感情はこの曲を書いて昇華された。

David Garrett / Encore ライナーノーツより

わたしがこの文に全感覚で反応したのは、わたしもほとんど同じような状況を味わっていたからだ。それも、それほど昔のことではない。

すべてを兼ね備えているかに見えるDavidにも、ほかの多くの人々が経験するのと同じように、自らの感情だけでは思いどおりにいかない想い人がいたのだ。

あたしゃ、思い出すね。

かつて福山雅治をテレビで観ながら、「こういう男にだってね、どうにもモノにできない女ってのがいるんだよ」と、田舎のかーちゃんが言ってたことを。

どこにも持って行き場のない想いを、作品とともに昇華させる。

いやぁ、芸術って、音楽って、素晴らしいですね。

この次に入っている曲は、嵐のように激しい「夏」です。

08. Summer 

ヴィヴァルディの「四季」のひとつですね。Davidのコンサートなどでは頻繁に演奏されているようです。

09. Air

お次はバッハの「G線上のアリア」です。海外では単に「Air」で通じるのだ、というのを、Davidの演奏を聴いて初めて知りました。

このアルバムを父と一緒に車で聴いていて、Airが流れ始めたとき、父が突然、「このG線上はおもしろいね。ベースのアレンジが」と言った。耳が悪いくせに、私の気づかない音に気づくのか。高音はあまり聞こえないけど、低音は聞こえるのか。ともかく、父はもうすぐ死んじゃうかもしれないので、些細なことも記憶に留めておきたいと思う。

私はこのときのDavidの演奏がいちばん好きです。

J.S Bach / Air

10. Thunderstruck

AC/DCの代表作です。Davidの説得により、この曲がアルバムに入ったそうです。

11. New Day

2008年のツアー中に、注目されることに圧倒されたDavidが、バランスをとるために書いた曲だそうです。

昼メロにも週末の不倫ドラマにも合いそうな、せつないメロディです(我ながら発想が陳腐すぎてすみません泣)

メロディのアイディアは、Davidがフィレンツェで迎えた朝に思いついたそうです。

12. Ain’t No Sunshine

ビル・ウィザース(Bill Withers)の曲です。これまでもこの曲をときどき聴いていて、曲名もまだわからなかった頃に、「与作」みたいな曲だなぁ、と思いながら聴き流していました。

Bill Withersがこの曲を発表したのが1971年、「与作」は北島三郎が歌うよりも前に作られていますが曲のできたのは1978年です。”Ain’t No Sunshine” は当時、相当ヒットしていたようですので、影響を受けたのかなぁ、それとも、そのころの人類が自然発生的に似たような雰囲気の音楽を思いついたのか。(いや、そもそも似てないって説のが多いかもしれませんがね)

ドイツのツアーの間、Davidとギタリストのジョルジョは、「いつもステージに上がる気分に入り込むために、あらゆる種類のレパートリーを使って舞台裏でウォーミングアップをしていた」そうです。そのうちの一曲がこれで、お気に入りの曲だそうです。

13. Rock Prelude

David Garrettの作曲です。

このライナーノーツで、Davidはエレキギターについて、1970年代にそれまでのヴァイオリンのような存在になった「究極の楽器」と書いています。見事な技巧と美しいメロディで聴衆を魅了することにかけては現在トップの座にいるエレキギターから、ヴァイオリンを再び王座に復帰させるのは、Davidにとっての挑戦であるとか。だから”Rock Prelude”を書いたのだそうです。

14. Winter Lullaby

このメロディのオリジナルについては、調べてもよくわかりませんでした。「ブラームスがハンガリー舞曲のひとつでも使っている有名な民謡の一節を編曲」と書かれています。クリスマスのときに、Davidがお兄さんとよくこの旋律を弾いていたことから、この曲名がつけられたそうです。

15. Zorba’s Dance

ゾルバのダンス、映画『その男ゾルバ』のテーマ。1964年の映画だそうですが、パッとあらすじを追っただけでも面白そうなので、観てみたいですね。また、原作を書いたニコス・カザンザキスというギリシャ生まれの作家にも興味を持ちました。小説をいつか読んでみたいと思います。

長くなりましたが、以上です。

ライナーノーツを書いているのは、David Garrett、翻訳は、猪股知子(R.I.C. Publications)

David の伝記、ドイツ語しかないのかしら?英訳の刊行を期待・・・。


と思ったら、英語版がありました。タイトルが違うので、すぐに探せなかったですが、英語なら読めそうです。


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