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主演、デイヴィッド・ギャレット(David Garrett)。
私はずっとこのヴァイオリニストのことを思い出すと調べていて、来日したときはコンサートにも行った。
弦を動かすごとに光の玉がコンサート会場にあふれだした。演奏中に光る音霊(おとだま)が出る、稀有なアーティストだ(この音霊っていうのは、私が勝手に言っているだけですが、、そのくらい、感動的でした)
伝説の音楽家、ニコロ・パガニーニの生涯を描いたというこの映画『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』。
おそらく、私がデイヴィッド・ギャレットを知ったのも、この映画のプロモーションがきっかけだったと思う。
けれど、不覚にも、この映画をまったく観たことがなかった。
あれほど好きだったデイヴィッド・ギャレットの映画をなぜ観なかったのか。しかも、主演・制作総指揮・音楽、すべてをデイヴィッド・ギャレットが担っている映画である。
今まで観なかったのは不思議だが、私は数年前まで、ずっと、これは観たい!とインスピレーションを受けた映画も、劇場に観にいかず、DVDが出てからでいいわ〜。なんて、無精をしている間に、観たかった映画を忘れてしまう、というのを繰り返していた。
だからあとあと、そういえばこれも観たかったんだよなぁ〜、という映画が次から次へと出てきて困る。
やはり観に行きたい映画があるなら、上映中に映画館に観に行かなければ、ですね。
ともかく。偶然入っていたAmazon primeで見つけ、ようやく観ることができた。
そして、毎日観たいと思うほど、感動したのである。
とにかくデイヴィッド・ギャレットの演奏が素晴らしい。劇中でシャーロットも言う通り、その演奏は、聴くもの誰もが圧倒されるほど、”beautiful”(美しく)で“remarkable”(素晴らしい)なのである。
デイヴィッド・ギャレットが5億円の名器ストラディヴァリウスを演奏していることでも話題になった映画。
デイヴィッド・ギャレットは現代の天才ヴァイオリニストだと思うけれど、その演技もすばらしかった。彼はその演技を「自然に楽に演じることができた」とのこと。
「幼い頃からパガニーニの音楽に触れてきました。ヴァイオリンを弾く人間でしたら将来はパガニーニは絶対に弾きたいと思う存在ですから、私の場合26年間くらい、映画でパガニーニを演じるための準備をしてきたと言えるんじゃないかと思います。各シーンに合った音楽を自分が編曲などしたんですが、それも大変スムーズにできましたし、演じるということに関しても、パガニーニの人生にとても共感を覚えますので、自然に楽に演じることができました」
「パガニーニのスコアは、彼本人が手書きで遺したのはヴァイオリンのパートだけなんです。それ以外のオーケストラの部分は別の人が書いたものです。ヴァイオリンのパートは天才的なものなので私は手を付けずにオリジナルのままでキープしました。それ以外のスコアの部分を変えるというか、現代風にというよりは、ヴァイオリンのパートに見合うだけのものにさらに引き上げた編曲をしたつもりです」
https://tst-movie.jp/reportblog/?paged=30
ギャレットは、4歳ではじめてバイオリンを手にし、8歳ですでにマネージメントチームがついていたというほどの神童だったのだ。まさに、パガニーニを演じられるのは、後にも先にも彼以外にはいなかったであろう、類まれなるアーティスト。
2023年、デイヴィッド・ギャレットは久しぶりに来日公演をおこないますが、私は情報に乗り遅れてしまい、すでにチケットはsold out(泣)。
次回こそはと思います。情報を見逃さないために、インスタのリンクを貼っておこう。
パガニーニの生涯にも興味を持った。
他の方のレビューにもあるように、たしかに、まったくの予備知識なしに観たのでは、謎なシーンがあるかもしれない(が、私はとくにそのような謎には気をそがれることなく、最後まで面白く観ることができた)。
私が謎だったのは、ウルバーニが得体の知れない男で、最後までよくわからないというところかな。
悪魔といえば、その関連でロスチャイルド家が思い浮かぶが、この映画の中にもじつはロスチャイルドというキーワードが出てくる。
そこから考えると、ウルバーニという人物で表現したかったものが紐解かれていくような気もする。
ウルバーニは「実在した従者フランチェスコ・ウルバーニと、興行師のピエール・ラポールを合成した人物と資料にはあります」とのことだ。(「トーキョー女子映画部」より)
ロスチャイルド銀行にお金を預けていた(?)超どケチのパガニーニが、苦境のベルリオーズに気前よくお金を払った経緯(下記のリンク、広告がいっぱい出てくるので気をつけてください)
さらに、この記事もみつけた。
ニコロ・パガニーニ(1782-1840)もロスチャイルド銀行を利用した、赤裸々なほど詳しい記録が残っている。1838年12月6日、気管支炎に悩まされていたにも関わらず、エクトル・ベルリオーズ(1803-1869)はパガニーニの強い要望によって作曲した「Harold in Italy(イタリアのハロルド)」の発表を取り入れた演奏会を指揮した。この時に初めて委嘱作品を聴いたパガニーニはいたく感動し、ベルリオーズに2万フランの謝礼を受け取ってくれるよう、パガニーニの財務を担当していたロスチャイルド男爵(ジェイムス)を通じて手紙を送っている。
https://www.charlottederothschild.com/rothschilds
映画の中で、ウルバーニと出会い、最初に契約書にサインさせられるシーンがあるが、具体的に何が書かれているのか、わからない。都市伝説業界では、悪魔と契約しているアーティストや有名人などが話題になることがあるが、そういったことかなという気もした(何も明かされないので、あくまで想像です)。ウルバーニと手を切ってから、パガニーニは急激に落ちぶれ、体調も悪化していくようだし。
ただ、パガニーニの具合が悪くなっていく(もともと健康ではない)のは、史実から知っていたので、違和感はなかった。
さて、パガニーニのバイオリン、ガルネリ(グァルネリ)について。
映画の中では、ギャレットが弾いているのは実際にはストラディバリウスだが、オーケストラの団員からガルネリのヴァイオリンを奪い、そのまま弾いてしまうというシーンがある。
ピアニスト、フランツ・リストの曲として有名なラ・カンパネラの原曲は、パガニーニであったというのを、この映画を観てからパガニーニを調べていて、初めて知ることができた。
フランツ・リストは、パガニーニの演奏会を聴いて非常に感銘を受け、ピアノの曲に編曲したという話。
↑これを読むと、現在よく演奏され、難曲とされるラ・カンパネラよりも、さらに難しい曲があるそう。
たしかに、最初はよく知っているメロディーで始まるが、途中からめっちゃ難しそうだなと思う。超絶技巧というのが使われているのだろうけど、何度でも聴きたくなるような魅力をもった曲。
映画の中で歌われている美しいアリアの原曲は、パガニーニのヴァイオリンコンチェルト4番2楽章。
https://ameblo.jp/eirakudai/entry-12566616539.html
YouTubeに映画のシーンがあったので、クライマックスの貴重なシーンであるが、貼らせていただく
パガニーニが映画の最後に恋をするのはアンドレア・デック演じるシャーロット・ワトソン。シャーロットとの離れ離れになるときのエピソードなどは、実話とは少し違うようだが、パガニーニの感情が豊かに描かれている。
Tシャツとジーンズで演奏しているデイヴィッド・ギャレットが彼らしくて好きですww
おまけ。
しかしですね!
昨今のギャレット様を拝見し、この方は映画に出ていたあのギャレット様と同じお方か?と思ったことがあるんですが、映画の中やプロモーション時には、けっこうメイクなどもしていたのでしょう。上の動画で素のギャレット様のご尊顔を拝するに、ようやく同じ人であると合点がいったのであります。
クロスオーバー活動を続けるギャレット様の演奏で、最近好きなのは、コールドプレイのViva la Vida です。
こちらの記事も読みました。
↑クロスオーバーから、人々がメンデルスゾーンやブラームスを聴くことへ導くことが彼のゴールなのだそうです。なかなか興味深い記事でした。
ギャレット様のショパン、ノクターン。
そして。
これまた、めちゃくちゃかっこいい!!
さらさらロングヘアのギャレット様という容姿がカッコイイと言いたいのではなくて。演奏やアレンジが、めちゃくちゃかっこいい。ベートーヴェンの運命をギャレット様らしくアレンジされています。
ちなみに、ベートーヴェンの「運命」という曲名は日本だけの通称であり、世界的には「交響曲第5番」として知られているので、”The 5th”という曲名になっています。
そしてそして。
ギャレット様がQueenの”Show must go on”を弾いていらっしゃる!!うぉー!!!
そしてそして。マイケル・ジャクソンの名曲も弾いていらっしゃいます。
↑途中で挟み込まれるクラシックは、なんの曲でしたっけ?(モーツァルトだったか?)
ところで、このCD、欲しいですな。映画のサントラなんですが、ボーナストラックもあるので。
いつかギャレット様にお目にかかれる日を夢みて、死ぬまでドイツ語を勉強してみようかしら?と思い始めた私です。
Bye 🙂
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